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  • 2011.09.26 Monday
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ウラヌスカップ 自戦記

こんにちは、RMUアスリートの小林景悟です。
今回は昨年末に行われたウラヌスカップの自戦記をお送りします。


この1戦は全体的に牌の巡りに恵まれ、
自分にとってRMUでの初優勝となりました。
事務局から「自戦記を」と言われ、
自分がアガった局のことを長く書いてもなあ…と頭を悩ませていた所、
白石選手から「どんなことを考えて試合に入ったか、
主観的な部分をたくさん書けば面白くなるんじゃない?」と。
もともとレポートに牌姿の少ない僕ですが、
今回もいつも通り、「そのとき何を考えていたか」を振り返りながら、
拙文を綴って行こうと思います。


以下、回想モード。

「今年のスプリントはアスリートが好成績を残せていません。
残り少なくなった公式戦は僕らも頑張りましょう」 

試合前日、自分と同じくR2リーグを戦っている中村選手とこんな話をした。
言うだけならタダなので、願望はすぐに口にするようにしている。

RMUに限ったことではないと思うけれども、競技麻雀の選手は本当に意識が高い。
公式戦が終わった後の会場では、
空いた卓からすぐにアスリート選手が掃除を始める。
誰に言われるでもなく、気付いた人間が牌を拭き、サイドテーブルを整え、
足りない備品があれば補充する。

決して対局料が出るわけでもない。
雑務を誰かが評価してくれるわけでもない。

それでも自分たちのフィールドだけは自分たちで磨き上げたい。
いずれは主役になるために、まずは出来ることから手を抜かない…。
そんな意識がビシビシと伝わってきて、RMU入会当初の僕は驚いた。

だからこそ、アスリート選手が公式戦で結果が出ないのは歯がゆい。
勝とうと思えば思うほど負けるのが麻雀。
意識は高く、ゲーム運びは慎重に。

せっかくいい環境で打てているのだから、
自分もやれる所まで進んでみよう。

そんな気持ちで当日を迎えた。


1回戦はライセンスBの仲川プロと一般参加選手、
それに日本プロ麻雀協会から参加のコウさん。
コウさんはエントリーのメールを受け付けたのが僕だったという縁もあって、
出来れば同卓したいと思っていた相手だ。
上家に座った彼は自分より痩躯で、おとなしい印象。
それでもツモの動作からは経験の深さを感じさせるしなやかさと、
少しの威圧感があった。

東1局は親番で迎えたい。
大体、競技選手になろうなんて男は唯我独尊。
誰だって自分がゲームを支配したい、誰よりも先行したいと思っているものだ。
まず希望通りの親番を引けた。
それから2分もしないうちに誰でもアガれるピンフを一発ツモ。
ドラにも恵まれ6,000オール。

その後も小刻みに加点し、好調を意識した。
大過なく終わりたいと思った南場で、事件が起こる。

完全に煮詰まった終盤、仲川プロのツモ切った3萬に小さな声がかかった。

3萬2筒3筒4筒白白白發發發 ロン3萬 中中中 ドラなし

声の主はコウさん。
前順に4萬の手出しがあったことから、
おそらく役満確定となる三元牌を引いた小三元からの手替わりだ。
僕の手元には發が1枚浮いていて、これはもう切れないと思っていたのだけれども、
まさか役満が出来上がっているとは

ノータイムの打牌で、気配がなかった。
ロンの発声も、それまでに何度かアガった安手と同じ。
役満であっさりトップ目に立たれてしまったショックより、
その平然とした彼の姿勢に「打ち慣れているんだなあ」などと
至極凡庸なことを僕は考えていた。

何よりショックなのは、打ち込んだ人の方だろう。
大会の初戦で役満に突き刺さるなんて、アンラッキーにもほどがある。
しかしそこはさすが仲川さん。
牌姿を確認するとこちらもいつもと同じように「はい」と一声発し、
点棒の授受を終わらせた。

その数分後に僕は、
試合中に他人への気遣いの余裕など許されないことを思い知らされる。
オーラス終盤、壁を頼りに切った牌で、
上流に入ったコウさんから痛恨の一撃を受けるのだ。

2筒2筒3索3索7索7索7索8索8索8索南南南 ロン3索 ドラ2萬 裏ドラ南

好調であったはずの自分が、まさか24,000という申告を聞くことになろうとは。
とはいえ1回戦は浮きの2着。
結果だけ見れば悪くないと思い込む。
気合いを入れ直すためにも、喫煙スペースにいる友人との会話は我慢した。


2回戦はトップ。
ただただオリ続け、一度だけ入った本手をツモってそのままゴールイン。
展開という言葉はあまり好きではないのだが、
それに助けられたのだから何も言うことはない。
早々に降ろされる局というのは、実は本手と同じくらい神経を使う。
1人に対してオリているだけでは、脇の2人の絶好のエジキになってしまうから。
リーグ戦に参加するようになり、めったにイーシャンテンから押すことがなくなった。
中途半端な手組みの攻めはすぐに咎められる。
悪いときには無理しないという、麻雀の基本を再確認したゲームだった。


3回戦はとにかく手が入った。
この日の結果は、今振り返るとこの局にあったような気がする。

1索1索5索5索5索南南南發發 ツモ1索 白白白 ドラ白

このときの自分は微差のトップ目。
準決勝に残るためには浮きの2着でもいいし、
実際にこれまでの自分ならどこかでオリていたかも。
24,000に突き刺さり、それから24,000をツモアガる。
あまりに自分らしくないこの推移に笑えるのは家に帰ってからだった。


とにかく4回戦、いかに叩くか。
いかに有利な状況で準決勝に臨めるかとばかり考えていたような気がする。

やや前傾姿勢で臨んだ4回戦は、最低限のノルマとしていた2着だった。
かわし手とテンパイ料でコツコツ積んだプラスを活かせたゲーム。
1回はリーチで本手をアガったような気がするけれども思い出せない。
よくオリた、いや本当によくオリた。
麻雀の強さにはいろんなファクターがあると思うのだけれども、
「この日を諦めないためにこの手を諦める」ことが出来るというのも、
その1つだと思う。

この日はその真似事ができた。


予選が終わって、自分は暫定2位で、役満をアガったコウさんが首位。
準決勝を戦うにあたり、自分の決勝進出の条件は小さなラスまでなら許されそう。

準決勝の顔ぶれは阿部プロ、
麻将連合μ所属で最高位戦クラシックの優勝経験もある下出さん。
それに自分と同じアスリートの宮本選手。
正直、ここが剣が峰かと。
どの方角を見ても隙がない。
そして何より自分以外は1着条件。
中途半端な攻めで大ケガをするのは避けたい。

宮本選手はリーグ戦でも対戦している。
自分よりいくつも若いのに、麻雀は強いし謙虚だし、何より社交的だ。
彼みたいな打ち手はなかなか出会えないので、
ひそかに同卓を楽しみにしている選手の1人である。
準決勝でも彼は一生懸命手作りをして、おそらく僕の何倍も頭を働かせていた。

東1局、親の下出さんからリーチ。
カン5索のイッツーで、ツモれば満貫。
ドラはすでに場に見え、そのリーチに使われているようには見えなかった。
それに対して押し続けた阿部プロは5索を2枚使い、亜リャンメンの2索5索待ち。

開けられた2人の手を見て、この日初めて麻雀に対してネガティブなイメージを抱いた。
恐怖や畏怖といったものではなく、とにかく薄気味悪い、
自分ではまったくわからないものと対峙しているような感覚。
麻雀において「読み切る」ということは不可能だ。
そんなことは知ってはいても、阿部プロの押し返し方には、
自分とはまったく違うレベルで麻雀を捉えているんだ、ということを思い知らされた。
強い人と相対する時、その強さに震えた時。
砂浜で落とした指輪を探すような、気の遠くなる感覚に包まれてしまう。
これを一つひとつクリアしていくのがいかに苦しく、時に楽しいことか。

さて、たまたま、本当にたまたま僕はツイていて、
決勝に駒を進めることになってしまった。
決勝前にイメージしたことは1つだけ。
「周りに何をいわれてもいいから、自分のやりたい麻雀をやろう」ということ。

アスリート選手の環境は厳しい。
義務も強制もない代わりに、
そこに参加する人間には常に「良い内容で勝つ」ということが求められる。
実際にそうできる人間が少ないからこそ、
普段ライセンスプロから受ける言葉も辛らつなものになる。

恥を隠さず言えば、僕は実戦でも「ここはこう打ったほうがいいのかな」と、
本意ではない牌から切り出すことがある。
今の自分にしっくりこないフォームでも、長い目で見ればためになるからそうするのだ。
ファクトリーでも講師である多井プロはよく、
「ここで習ったことがすぐ身につくわけではないし、
君らの成績が急に良くなるわけはない。長いスパンで考えよう。
必ず強くなれることを俺は言っているから、今はそれを素直に試してみてほしい」と言う。
一つひとつの多井プロの言葉が実際に血肉となっているからこそ、
アスリート選手はそれを続けている。

でも、決勝ではそれはやめようと。
普段から目をかけてくれている人には申し訳ないけれども、
ここでは自分のやりたいように、今のベストを尽くさせてくれと。
そんなことを考えていた。

決勝を振り返って最初に浮かぶのは、
首位を走るコウさんが1人テンパイで3,000点を手に入れたシーン。
初戦で24,000点の放銃をした時も、
準決勝でラスに落とされたときにも感じなかった絶望が心臓をつかむように襲ってきて、
それを打ち消すためにサイドテーブルの飲み物に手をやった。
採譜者の内田選手の表情が一瞬見える。
心なしか彼は苦笑いをしているように見えた。
ごめんよウッチー。
自分なんかの採譜をさせて申し訳ない、
退屈をさせるだろうけれども、もう少し我慢してくれよ、後で文句は聞くから。
心からそう思った。

牌の巡りが良く、エラーがいい方向に転び、
結果的にオーラスを良い条件で迎えることが出来た。
最後のサイコロが振られる前に何度も2着目との計算をした。
でも、これは本当に恥ずかしいことなんだけれど、
「実際は足りていないんじゃないか?」という疑念が最後まで消えなかった。
もっと条件計算の練習をしておかないとなあ、
後で数字に強い宮田プロに計算のコツを聞いてみよう。
冗談抜きでそんなことが頭の片隅に浮かんだのだから笑えない。


終わった瞬間は、勝った人がよく言うように、喜びより安堵感が先に来た。
終局後、立会人のコールを聞いて席を立つ。
やはり採譜者の内田選手は疲れた顔をしていた。
きっと言いたいことは山ほどあるだろうし、
むしろそんな気すら起きないほど愛想を尽かされてしまったかもしれない。

それでも次、次!もっといい勝ち方するから。

今後もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。


さて、今年度最後のスプリント戦は2月13日の日曜日。
ネプチューンカップが柳本店で開催されます。
プロアマ問わずたくさんの方にお会いできるのが、今から楽しみです。



文責 小林 景悟


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